Topics | 2016.07.04
3Dプリンターが可能にする、失敗から生まれる偶然の美を表現したデザイナーNoa Raviv

3Dプリンターが可能にする、失敗から生まれる偶然の美を表現したデザイナーNoa Raviv

コンピューターで描いたような直線や曲線のプリント、服の一部を拡張させたようなデザインで“近未来を連想させる服”を発表した、イスラエル出身のデザイナー、ノア・ラビブ(Noa Raviv)。彼女の作品は、NY・メトロポリタン美術館で開催中の特別展「Manus x Machina: Fashion in an Age of Technology(=手仕事×機械):テクノロジーの時代のファッション)」でも展示されています。

Hard Copy Collection ― Noa Ravivより
Hard Copy Collection ― Noa Ravivより

そんなファッションとテクノロジーを融合させ独特な世界観を作り上げる彼女に、今回メトロポリタン美術館で展示中の「Hard Copy Collection(ハードコピーコレクション)」や、彼女のクリエイティビティについて聞きました。

失敗の中にあった“美”

イスラエルのシェンカル工科デザイン大学で3Dソフトウェア、テーラーリング、刺しゅうなどを学んだノア。彼女の「Hard Copy Collection」は思うようにプリントがうまくいかず、求めているものが出力されるまで何度もやり直し、完成にはおよそ1年を費やしたそう。そんなコレクションの着想源は”失敗”にありました。

3Dソフトウェアで作業している時、何度か失敗した時に爆発したような画面になったことがありました。それが私にはとても美しく見えたんです。

Hard Copy Collection ― Noa Ravivより
Hard Copy Collection ― Noa Ravivより

そのことを伝えようと先生を呼んだら、「もう一度正しい方法でやりなさい。」って言われたんです。 この時、この違いは面白いと思いました。というのも、彼は失敗を単に「失敗」として軽々と片付けてしまったのですが、私にはその「失敗」の中に美しいものが見えたからなんです。

その後、ソフトウェアを使っている時に起こった「失敗」を集めるようになり、それが今回の「Hard Copy Collection」のインスピレーションになっています。

Hard Copy Collection ― Noa Ravivより
Hard Copy Collection ― Noa Ravivより

オリジナルにある価値とは?

またこのコレクションは、彼女にとって理想的な美を表現している古代ギリシャ彫刻からの影響も受けているそうです。

もともと、古代彫刻が好きでした。パーツを組み合わせたりくっ付けたりして作るのではなくて、そぎ落として作っていく点などに、クリエイティビティを感じます。古代彫刻はこれまでに幾度となく複製されてきました。アートがそうやってコピーされることで、意味を失い、手に届きやすい形、たとえばキーホルダーなったりしている現象に興味がありました。

そこで、オリジナルの価値について考えた時、「失敗」にこそ、オリジナルで価値があると思ったんです。というのも、失敗には全く同じというのはないと思っていて、だからこそ失敗にはユニークさがあると考えてます。

ノアがこのコレクションで表現したかったのは、「失敗」からしか生まれないユニークさとそのオリジナリティでした。大きなチャンスを求めて2015年9月にニューヨークへ拠点を移した彼女。現在もいくつかの進行中のプロジェクトを抱えているそうですが、その詳細はまだ言えないとのこと。「このインタビューの後は、スタジオで1日作業なの」と、足早に去っていきました。次はどんなプロジェクトを見せてくれるのか楽しみです。

Noa Raviv

Noaraviv.com

Text:Akihiko
Cover photo by Noa Raviv

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