Special | 2017.03.24
Instagram最前線!vol.3: Instagramの「購入ボタン」の登場でSNSとファッションECの関係はどう変わるか?

Instagram最前線!vol.3: Instagramの「購入ボタン」の登場でSNSとファッションECの関係はどう変わるか?

2016年の11月1日、Instagramが新機能の試験運用を発表しました。いわゆる「Shop Now(今すぐ購入)」ボタンを、オーガニック投稿にも実装できるというもので、この機能によって、一般のユーザによる投稿内で紹介されるアイテムの購入プロセスが“シームレス”化されることになります。

一連のプロセスが単純化されることで、ユーザのショッピング体験はどのように様変わりするのでしょうか?この機能がファッションECに与え得るインパクトについて考えます。

1. 「Shop Now」ボタンの導入イメージ

2015年に広告サービスを強化したInstagramでは、広告投稿に限って「Shop Now」ボタンを設置することが可能でした。これがオーガニック投稿においても使えるようになることで、ユーザにとってはショッピングがより快適になり、EC運営者にとっても流入の拡大が期待できるため、各方面でポジティブな反応があることが予想されます。実際に購入にいたるプロセスは以下のようなものになるようです。

Instagramでのショッピングをよりシームレスにするため、複数パートナーと共にテスト運用を開始 ー newsroom

投稿された写真左下の「TAP TO VIEW(タップして表示)」ボタンをタップすると、投稿に仕込まれた商品タグが最大5つまで、価格とともに表示されます。

newsroom

続けて、タグをタップすると詳細画面へ。価格の横に設置された「Shop Now」ボタンをタップすると、公式サイトに遷移され、そのまま商品購入にいたるという、従来に比べて驚くほどスムーズなものとなっています。

2. ファッションECにとってのメリット

これを機にInstagramを導入しようと考えるファッションEC運営者も多いと思いますが、はたして公式アカウント経由でどれほどの流入拡大が見込めるかについては未知数。

すでに多くのフォロワーを抱える大手ファッションECにとって、購入のプロセスがスムーズ化することの意義は大きく、相応の効果が期待できるはずです。

他方、そもそもフォロワー数が少ない中小規模のファッションECにとっては、シームレスなショッピング体験が促されること自体にはメリットがあるものの、この機能によってはっきりとした効果を確認できるまでになるには、他の戦略も必要になるでしょう。これまでも様々なSNSにおいて「Buy」ボタンの導入が試みられてきましたが、あまり成果をあげることができませんでした。2017年の1月にはTwitterも「Buy」ボタンを廃止しています。ただ「Shop Now」ボタンがあるというだけでは、Instagramの公式アカウントがECサイトへの新たな流入を生み出す可能性は極めて低いと言わざるをえないのです。

むしろ期待されるのは、すでにファッションコーディネートサイトWEARにおいて実施されているような、インフルエンサーの投稿からファッションECサイトへと遷移させる仕組み作りでしょう。

WEARでは、投稿画面上にタグを設置することでECサイトとのスムーズな連携を確立。WEARISTAと呼ばれるユーザと契約し、投稿する対価として報酬を支払うインフルエンサー・マーケティングの仕組みを強化しています。さらに、2016年にはブランド公認ユーザを選出する、いわゆるアンバサダー・マーケティングにも本格的に乗り出し、成果をあげています。

3. 「Shop Now」ボタン成功の鍵を握るインフルエンサーの存在

SNSユーザは常に「Reserch Mode(検索モード)」にあり、「Shop Mode(購入モード)」にはなく、現時点では、SNSにおける「Buy」ボタンは芳しい成果をあげられなかったとする見解が支配的です。ところが、株式会社ピーアイ(代表取締役社長:奥ノ谷圭祐)や先述したWEARのように、SNSを利用したインフルエンサー・マーケティングが大きな成果をあげている事例も少なくありません。


InstagramはWEARと同様に、ビジュアルで直感的に訴えかけることに長けています。その特性を活かしてインフルエンサーを上手に活用できるとするならば、ファッションECはユーザに対して、「Reserch」でも「Shop」でもない、別の「Mode」を提供できるかもしれません。

Instagramユーザの振る舞いは、漠然と得体の知れない何かを求めてさまようのではなく、必需品を購入しようとするのとも違います。それは、ユーザにとって、ライフスタイルを向上させるための何かを追求する、いわば「宝探し」に近い感覚です。その水先案内人を務めるのが、インフルエンサーということになるでしょうか。

Cover photo by shutterstock.com

◆こちらは「FASHION EC Lab」 編集部からの寄稿記事です。

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FASHION EC Lab



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