Special | 2017.04.03
Instagram最前線!vol.8 : 「デリスタグラマー」仕掛け役!Instagramとフードのお熱い関係を切り出した トレンダーズを直撃

Instagram最前線!vol.8 : 「デリスタグラマー」仕掛け役!Instagramとフードのお熱い関係を切り出した トレンダーズを直撃

日本中の女性を熱狂させている、食べ物の写真を専門にInstagramにアップする、「デリスタグラマー」。その仕掛け役であるトレンダーズに、その背景とブームまでを訊く。

 

ーそもそも、インスタグラマーに着目したきっかけやInstagramマーケットに参入しようと思ったきっかけは?

トレンダーズ(敬称略):もともとwomedia(ウーメディア)という4万人くらいのブロガーのコミュニティがあり、女性だけで20万人弱くらいいる会員組織を運営しており、ブロガーさんって、あれだけの情報量を毎日発信している、すごい熱量だね、って話していたんです。

その中でブロガーさんに企業プロモーションにご協力いただくという動きがここ10年位あったのですが、Instagramが上陸したとき、ブログと同様に熱量があって。皆さん投稿を真剣にやっているなと驚きました。一種直感的に、「ここまで盛り上がっている人がいるなら、この楽しさや面白さは一般の人にも伝わるよね」と参入したのが経緯です。

ーInstagram自体の熱量を感じたのはいつくらいですか?

トレンダーズ:1年半くらい前にはプロジェクトが立ち上がっていたので、2年前くらいでしょうか。

ー実際Instagramに企業として力を入れるにあたり、どういう経営戦略が?

トレンダーズ:Instagramが広がってきているなという実感はあったのですが、その時の注目のされ方はタレントやモデルとして活躍されている方がInstagramをうまく活用していた印象で、私服のコーディネートや普段食べているものなど、私生活を上手に切り取ることでフォロワーがついている形でした。だからこそだと思いますが、最初に人気を確立したカテゴリはファッションとビューティーだったんですよね。

トレンダーズは、はじめからデリスタグラマーに近いところの食カテゴリに注目していました。まだ、Instagramをフワッとしたプロジェクトとして進めていたときに、すでに食に関するものだけをあげているインスタグラマーは様々な嗜好性を持った人が多く生まれていたんです。もちろん、ビジネス的にいえば、ビューティーカテゴリも注力していましたが、逆に食については、活発な動きが出てきているのに、まだ注目している企業が少ないというところで、戦略を張りに行ったという経緯があります。

食に関して人気を集めているインスタグラマーは、著名人というよりは一般の方が多かったんですよね。ファッションカテゴリは、モデルさんや読モっぽい方が人気なのですが、食のインスタグラマーは、普通の主婦だったり、料理が好きなサラリーマンの方だったりする。 そこはキャスティングしてみてすごく面白かったところでもありますね。具体的にそういった方と触れ合っていく過程で、最初にお伝えしたような熱量の純粋さや強さも感じたので、より食に力を入れていくようになりました。

最初につながり始めた時は、今デリスタグラマーとして活躍している人達も、自分達がテレビに取材されるとまで思っている人は少なかったと思います。ただ、私達が、デリスタグラマーの市場価値を一緒に作っていくパートナーになり得るのではないかと考えていました。それだけの熱量を持ってInstagramに食に関する投稿をしている人たちが世の中において価値があるんだよ、という世界、市場価値、マーケットを一緒に作っていきたかったのです。

ーデリスタグラマーという言葉をここまで多くの人が知るようになると予想していましたか?

トレンダーズ:ちょうど1年前くらいにデリスタグラマーに関する本を出版させてもらったときに、出版イベントを開催したんですが、その時にはテレビ取材は入ったものの放映されなかったのです。多分まだ時期が早いと判断されたのでしょうね。それでもコツコツとアプローチし続けた結果、今では週に2~3本くらいテレビ企画が動いていて、ここ半年くらいは、とてもメディアの取材が増えています。デリスタグラマーの特集や、Instagram内でのトレンドグルメを実演するなどに広がりました。

ーNHKでもデリスタグラマーという言葉が紹介されましたね。

トレンダーズ:その時は、Instagram独自のトレンドグルメとして、わんぱくサンドというボリュームたっぷりなサンドイッチに興味をもっていただいて、わんぱくサンドを紹介する際に、おうちごはん編集長の南出が実演しました。

ー今後のデリスタグラマーの行方……食にまつわるInstagramがどうなっていくと思いますか?

トレンダーズ:デリスタグラマーという言葉が広まっていった背景には、弊社の地道なPR戦略もあるのです。まずは、食カテゴリでのインスタグラマーさん達の価値を本人達にも気付いてもらうことが大切です。

そのため、プロジェクトのメンバーはInstagramで常に面白い食投稿をしている人を探してコンタクトをとっていましたし、個人でもたくさん食の投稿をしていました。そういう活動を経て、デリスタグラマー公式アカウント(現 @ouchigohan.jp)を作成し、運営する過程で反応がいい写真や、投稿数や投稿頻度の効果の違いや、「いいね!」を増やすためのハッシュタグ戦略などの知見をためていきました。

さらに、公式アカウントから#デリスタグラマーを使ったハッシュタグキャンペーンを実施し、「デリスタグラマー」という言葉も一緒に広げていけるように動いていました。
デリスタグラマーという言葉は造語ですが、それがメモ帳などに保存されて、食の投稿をするときにつける「デフォルトハッシュタグ」みたいなものになってきたなと感じています。今では公式アカウントのフォロワー数も13万人近くになり、「#デリスタグラマー」での投稿数も473,939件(3月29日時点)になりました。

今後どうなるかについては未知数ですが、ご飯写真をInstagramにアップするときは「#デリスタグラマー」をつけていただきたいですし、「#デリスタグラマー」でハッシュタグ検索したときに、その人にとって食卓を楽しくするヒントとなるような写真が常に集まっているという状況にしていきたいです。ハッシュタグは、トレンドもあり、とてもアクティブな世界なので、新しく出てくるハッシュタグに負けないように定着できるように頑張っていきたいですね。

ー食っていろいろトレンドがあると思うんですが、昔撮っていたものと今撮っているものの違いってありますか?

トレンダーズ:フォロワー数が多いトップのインスタグラマーは、海外で流行っている料理などをいち早く試してアップしている傾向があり、「私はまだ試していない」とか「もう作ったんだ!」とか、そういうコミュニケーションが最近ありますね。

一方で、一般の主婦層、特にお子さんにお弁当を作っている方々などは、毎日お弁当写真を投稿することがルーティーンであり本人のモチベーションにもなっているので、同じ構図でアップしている方も多いです。そうすることでその人の世界観が生まれ、その人独自の“構図”や“テイスト”に対して「いいな」と思った方がその人のファンになりフォロワーが増えるという循環になっていきます。ママや主婦の方は週末に常備菜を投稿する人も多く、流行り廃りというよりは実用に近いところで投稿されている感じがします。

フォロワー心理として、今日の朝は子どもにパン1枚渡して終わり!みたいな日もあるけれど、“毎日こんなお弁当を作ってあげられたらいいだろうな”って思いながらInstagramの投稿を見ている。見ているうちに、週に1回でもいいので、投稿したくなるようなお弁当をつくってみよう!と思うようになって、お弁当をつくるモチベーションに繋がっている、というようなことが起こっています。

客観的に見ていると、今まで食カテゴリでトップインフルエンサーになれるのは、美味しいご飯が作れる人だったと思うんです。でも、Instagramでは「きれいなご飯」とか「新しいご飯」もファンを獲得します。“きれい”とか“新しい”などの、一見実用とは離れたところでファンを獲得して、インフルエンサーになっていくという状況がある。レシピと関連せずに食の投稿が広まっていく、というのはInstagramならではだな、と思いますね。

インスタグラマーさんの中には、料理をあまりしなかったり苦手だったという人が、ご飯写真をInstagramに投稿するようになってから、周りからの反応を得ることがモチベーションとなって、料理を楽しめるようになったという人も多いです。まずは見た目から入って、味は後から上達させていく、という食の楽しみ方もありだと思います。

ーInstagram Storiesの登場で作っている過程や盛り付けの過程の必要性があがっているように感じますが、デリスタグラマーさんの投稿内容に変化はありますか?

トレンダーズ:デリスタグラマーに関しては、Instagramの新機能を積極的に使われている人が多いように見受けられますね。お菓子を作っている様子を時々Live配信してフォロワーさんとのリアルタイムな交流を楽しんでいる人もいらっしゃいますので、そういう意味では、プロの料理家でなくても個人で自由に発信していく人は増えていくと思います。
Instagram Storiesでいうと、自分がこれまでタイムラインで見せてきた写真以外にプライベートな写真や動画をStoriesに投稿している方が多い傾向にあります。普段はご飯ばかり載せるけれど、Storiesではたまに顔出しされることも。

Storiesは24時間で消えてしまうという仕様上、一生懸命にプロセスを作っても……と感じてしまうところがあるので、作り込むというよりは気楽に投稿している印象がしますね。お蔵入り写真のような、投稿するほどでもないけどシェアしたい、という感覚で投稿するときとか、連投するのがちょっと憚られるときとかにライトに投稿する、というような使い分けをしてるみたいです。それによって普段の投稿が減るのかというとそうでもないですね。

ーデリスタグラマーを含めて、人気インスタグラマーになるための秘訣とか、この人来そう!と感じるものはどこにありますか?

トレンダーズ:〝この写真ならこの人だよね”みたいなものが見つかると強いなと思いますね。例えば、ご飯で言うと海苔をカッターナイフで切って海苔アートを施したお弁当を日々投稿されている男性の方とか。

Instagramユーザーはプロフィールページを3スクロールくらいして、「この人いい!」と感じたらその人をフォローするという挙動が多いと思うのですが、プロフィールページの世界観というか特徴が確立できている人は注目されやすいんじゃないかなと思います。

あとは、流行りに乗っかるのも一つの手。流行っているハッシュタグはそのワードで検索している人も多く、人の目に触れやすいので「いいね!」がつきやすい。そこから、日々の投稿を継続して自分なりの特徴を確立できるといいと思います。

結局、セルフプロデュースが上手い人が残るなっていう印象がありますね。お弁当ひとつとっても、お弁当自体を作っている人って何万人もいる。けれどそれを如何にコンテンツ化できるか、というところが、人気デリスタグラマーになれるかどうかの一番の大きな違いですね。

和の感じで投稿し続ける人もいれば、キャラ弁という形にする人もいるように、お弁当というカテゴリを自分の中でどう独自のコンテンツにしてアウトプットしていけるかという、ストーリー性やテーマ性を作り出せることが大事。もちろん写真の技術もありますが、それよりも優先されるのがコンテンツ力とかセルフプロデュース力だと思います。

ーInstagramの次に来るSNSって何でしょう?

トレンダーズ:デリスタグラマーで投稿をみていても、インスタグラマーさんに“レシピを教えて!”というコメントがつくことが多いんです。そういった声に応える際に、Instagramのキャプションを増やすというよりは、ブログを開設してレシピはそちらで紹介するという方法も増えていて、Instagramとブログを両方活用されている方が増えていますね。デザインなども明らかにInstagramを意識していて、Instagramユーザー向けに作られているものも出てきているのは面白いなと思います。

その動きを見ていて思うのですが、本当に現在ってマルチアカウントの時代だなと。ソーシャルネイティブという言葉もありますが、SNSをよく使っている人ってプラットフォームに触れてから特徴をつかんで使いこなすまでが早いし感覚的。その分一つに絞る必要もなく、沢山のアカウントを自分なりの使い方でつながっていきます。昔のミクシィみたいに何か一つのプラットフォームに爆発的に集中することはないと思いますね。

また、Instagramは直感的にモノを買わせる力があると思っていて、今だとウエディングアイテムなどはInstagramで見つけて買ってる人も多い。一度しか使わないものはレンタルするよりリユースを買うほうが安いということもあり、生活の中で賢く使っていますよね。“これ何%オフでお譲りします”などのキャプションもありますし、そういうハッシュタグも多い。自分がフォローしているデリスタグラマーさんが、自身のお気に入りのお鍋や食器などを投稿すると、そもそも普段の投稿から活用イメージがついている分、直感的に買う人がいると思うのです。Instagramが既に窓口として優良なメディアになっているので、他のアカウントとの連帯やECプラットフォームなどの連動強化があると、Instagram内での物々交換や売買が加速して、より活発化すると思っています。

その人となりが見えるのはすごく安心ですし、セルフプロデュースがきちんとできる人が、企業のプロモーションに協力するだけではなく、フォロワーとの関係値のなかでもっと収益をあげていく可能性は大きいと思います。

トレンダーズ

http://www.trenders.co.jp

お話をしてくださった方
マーケティング部門R&D局長:橋本菜々子さん(カバー画像 右)
InstagramPR コンテンツプランナー兼おうちごはん編集長:南出千賀さん(カバー画像 左)
デリスタグラマーを浸透させるまでに、社員の方々が机を並べて必死でアカウント整理をしたこともあったとか。その努力の結果が、今やデフォルトハッシュタグという形に!

DiFa編集部



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