Business | 2017.07.31
3Dのド迫力、だけじゃない!洋服の買い物はVRでもっと便利で楽しくなる

3Dのド迫力、だけじゃない!洋服の買い物はVRでもっと便利で楽しくなる

ファッションECでの本格的な導入が始まりつつあるVR

adidas by Stella McCartney

VR元年と言われる2016年以降、ファッション界でもVRに関するニュースが後を絶たない。先ごろ、東京で開催されたStella McCartneyによるコレクション発表の際にも、デッドマウントディスプレイやヘッドフォンを装着することで、アイテムを着用した様子を擬似的に体験できるスペースも登場している。ブランドの世界観を劇的に表現できるVR技術と相性がよいだけに、各ファッションブランドはVRの導入に積極的だ。

Body Language Sportswear

ファッションECにVRを取り入れる動きも活発だ。カリフォルニアのスポーツウエアブランド、Body Language Sportswearでは、2017年の6月から、スマートフォンとGoogle Cardboardを利用したVRショッピングのサービスを開始した。Payscoutが開発した、VRを体験しながら商品の選別・決済を可能にするアプリ“VR Commerce”を使用することで、商品を身にまとったモデルが動く様子を立体的に見ることができるほか、商品の回転・拡大など、インタラクティブな操作も可能だ。

国内でも、VRデバイスを着用した上で非現実的空間で商品を選別し、決済にいたるサービスの実現に向けたプロジェクトが進行中だ。想像しているよりも早く、ファッションECでの本格的なVRの導入が見られるかもしれない。

VRは視覚重視から多感覚に訴えかける時代へ

VAQSO

ファッションとVRの関係は、現時点では、とりわけ視覚的情報に重点がおかれている。映像が立体的になることのインパクトは相当なものではあるものの、視覚以外の感覚に訴えかけることができれば、VRが喚起する“リアリティ”やショッピング体験の可能性はさらに広がるはずだ。

J. Galant

バルセロナを拠点として活動するVR芸術家のJosé Galant氏は、伝統的な絵画の手法にVR技術を取り入れた作品で知られている。2015年に発表した“The Snail’s Steam Beach”では、VAQSO Inc.(CEO:川口健太郎)による、嗅覚を刺激するVRデバイス、VAQSO VRや、海水、鍼などを使った、多感覚的な絵画体験を提供している。

こうした試みは、ファッションとVRの関係について考える上でも示唆的である。例えば、普段はあまり意識しないが、生地や皮革の匂いなどの嗅覚的要素は、臨場感のあるVR体験には欠かせないものだろう。

ファッションECにとってのVRの核心となるであろう「触覚」

Shutterstock

現在のファッションECを利用する消費者は、商品を購入する上で、画像による視覚的情報と、サイズやデザインについての大まかな文字情報に頼らなければならない場合がほとんどである。素材の混率についてさえ表記されていないことも多く、生地感や着用感、肌への刺激などについては知るすべがないという状況だ。

このことは、ファッションECの利用者の商品に対する満足度に少なからず影響を与えてしまっている。20歳から49歳までの男女を対象に、中京大学大学院が実施したアンケート調査によれば、ネットショッピングの失敗理由についての問いに対し、「生地感が予想していたものと違った」と答えた人の割合が実に41.5%にものぼっている。「思ったより安っぽかった」(49.2%)、「サイズが合わなかった」(47.4%)という回答に続いて3番目に高い数値で、「色が予想していたものと違った」(34.0%)という回答よりもはるかに多い。さらに、「着心地が悪かった」(16.7%の)という回答がそれに続いており、生地感や着心地がファッションEC利用者の商品の満足度に与えている影響は決して少なくないことがわかる。

視覚的情報による非日常的な空間演出や、シームレスでスムーズなショッピングを可能にする利便性の向上も重要だが、ファッションECにとって、将来的にVRの核心となるのは、やはり着心地や肌触りに代表される触覚の問題だろう。ファッションECにとっての鬼門ともいうべき“サイズ問題”さえ、生地感や着用感と密接に関係しており、いわば触覚の領域にあるとさえ言える。

Teslasuit

すでにゲーム業界では、電気によって全身の触覚を刺激するVRスーツ、“Teslasuit”や、対象物の硬さ・柔らかを感じ取ることが可能なVRグローブ、“VRgluv”などが登場している。こうした新しいテクノロジーがファッション業界に適した形で開発され、より効率的で、しかもワクワクするようなショッピング体験が生み出されることを期待したい。

Payscout

https://www.payscout.com/

Cover photo by -Payscout

◆こちらは「FASHION EC Lab」 編集部からの寄稿記事です。

DiFa編集部



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