Business | 2015.12.07
RALPH LAURENの「インタラクティブフィッティングルーム」にみる、未来の試着室のかたち

RALPH LAURENの「インタラクティブフィッティングルーム」にみる、未来の試着室のかたち

RALPH LAURENの試着室

オンラインショップとリアルショップの決定的な違いは、試着ができるか否か、に尽きます。「試着ができないから」という理由で、オンラインショップでお買い物をすることをためらってしまう人は少なくないと思います。

その一方で、実際に試着室に入った時、困ってしまうのがショップスタッフとのコミュニケーション。別のサイズが欲しいのに、なかなか来てくないこともあれば、まだ着替え途中なのに「いかがですか?」としつこく聞かれたり……。一人でじっくり考えたいという時もありますよね。

実は今、そんな試着室の体験が劇的に変わろうとしているんです!

今回は、「POLO RALPH LAUREN(ポロラルフローレン)」が導入した”インタラクティブフィッティングルーム”から、未来の試着室のかたちについて考えてみます。

POLO RALPH LAURENのNY旗艦店に導入されたインタラクティブフィッティングルーム

先月、POLO RALPH LAURENがサンフランシスコ発のスタートアップ「Oak Labs」とコラボレートし、ニューヨーク五番街にあるPOLO RALPH LAURENの旗艦店にタッチスクリーン機能付きのミラーを備えた「インタラクティブフィッティングルーム」を導入しました。

Ralph Lauren Interactive Mirror

ショップスタッフとのやりとりをストレスフリーに!

試着室に入るとまず、RFID(※)によって試着する商品の情報が自動で読み取られ、持ち込んだ商品の情報と試着点数がタッチスクリーンミラーに表示されます。ミラーには、持ち込んだ商品のサイズやカラーバリエーションが表示されるので、タッチスクリーンを使って、現在お店に在庫がある他のサイズ/カラーをスタッフにリクエストすることができます。

お店によっては、全てのサイズ/カラーの在庫を店頭に並べていない場合があるので、タッチスクリーン上でその他のサイズ/カラーを見ることができるのは非常に便利。また、お店の在庫状況が分かるので、「このパンツのSサイズありますか?」「確認してきます!」というスタッフとのやり取りをスキップできるのは、とてもありがたいです。長時間待たされたあげく、「完売してまして……」と言われていまうことほど、時間の無駄はありませんから。お互いに。

※かざすだけで、RFタグ(非接触ICチップを使った記憶媒体とアンテナ埋め込んだタグ)内の情報を読み書きできるシステム。

Ralph Lauren インタラクティブフィッティングルーム
タッチスクリーンミラー上で、お店に在庫がある他のサイズ/カラーを選ぶことができます。

また、持ち込んだ商品にマッチするアイテムがミラー上に表示される、リコメンデーション機能もありますが、ショップスタッフを呼び、対面でパーソナルな提案を受けることも出来ます。これらのリクエストは、即座にショップスタッフが持っているiPadに送信され、「すぐに伺います!」といったメッセージがスタッフの顔写真付きで返ってくるようになっています。これなら、試着室のカーテンから顔を覗かせ、スタッフを探す必要もありません。

さらに、このインタラクティブフィッティングルームは、スペイン語、ポルトガル語、中国語、イタリア語に対応しているので、(残念ながら日本語はありません……)英語話せなくても、スタッフとコミュニケーションがとることができます。旅先で言葉が通じず、欲しい商品が買えない!というストレスから開放されるなんて、とても素敵!ぜひ、日本語にも対応して欲しいですね。

スマホに商品情報を送信できる

試着をしてみたけれど、一晩寝てから考えたい、ということもあるかと思います。(衝動買いを抑えるには、冷静になることが一番!)そんな時に役に立つのが「スマホに送る」という機能。

試着をした商品の情報とオンラインストア上の商品ページのリンクをSMSで受け取ることができちゃいます。サイズは分かっているので、オンラインストアからでも躊躇うことなく、注文ができますね。

電話番号を入力することで、商品の情報がSMSで送られてきます。
電話番号を入力することで、商品の情報がSMSで送られてきます。

ライティングの調整で顔映りを確認できる

お洋服をよりいっそう素敵に見せるためには、ライティングの計算も大切。POLO RALPH LAURENのインタラクティブフィッティングルームでは、「Fifth Avenue Daylight(日中)」、 「East Hampton Sunset(夕方)」、「Evening at the Polo Bar(夜または、暗い場所)」の3種類の異なるシーンのライティングに変更することができます。

例えば、大切なデートの夜に着る服を選ぶ時なら、「Evening at the Polo Bar」を選択し、一番顔映りが良く見える服を選べば、あなたの魅力も2割増し!?

Interactive-Mirror-1

お店によっては、ブランドの世界観を作るために照明を暗くしていたり、色味がついたライトを使用ている場合もあり、実際の色とは違った色に見えてしまうこともあります。正しい色、または異なるライティング下における色、そして顔映りを確認できるのは、後になって後悔しないためにも大切です。

今後期待することー Oak Labsはデジタルテクノロジー×ファッション分野の救世主となり得るか?

デジタルテクノロジー×ファッションは、今ファッション業界が一番注目している分野で、日々新しい仕組みがどんどん導入されています。その一方で、「この機能、本当に必要?」と思ってしまうような、無駄に親切すぎる機能だったり、操作が煩雑すぎて誰も使ってくれない、という残念なサービスも数多くでてきてしまっています。(先日のDiFaでもエラー画面が出たまま放置された、かわいそうな「Memory Mirror」の話が紹介されていましたね。)

このPOLO RALPH LAURENのインタラクティブフィッティングルームのシステム「Oak Fitting Room」を開発したOak Labs、もしかしたら真の救世主となる……かもしれません。

というのも、Oak Labsは「in-store experience and human interactions come first; tech comes second. (店舗体験と人間同士の関わりが第一。テクノロジーはその次)」をフィロソフィーとして掲げていて、実際にインタラクティブフィッティングルームは最新テクノロジーの押し付けではなく、私たちのショッピング体験をより快適にすることを最優先に考えられたシステムだからです。

Image-Grabs.00_00_01_19.Still002

また個人的には、今後プラスして欲しい機能として、フィッティングルーム内でお会計を済ますことができ、その場で購入できる、または オンラインストアで購入することができたらいいな、と思いました。

自分の服に着替える前にお会計を済ませて、試着室から出る時には、綺麗に包装された新品の商品を受取り、そのままお店を出ることができたら、とってもスマート。もしくは、試着室の中からオンラインストアで注文を行うことができれば、手ぶらで帰ることもできますよね。

それと、折角ライティングの機能がついているのだから、試着をした姿を綺麗に撮影できるセルフィー機能(いわゆるプリクラ?)が付いていて、スマホに送ることができればいいな、とも思います。買うかどうか迷っている時は、友達や家族の意見やひと押しが欲しいもの。snapchatの「ジオフィルター(※)」の様な機能が付けば、もっと楽しいかも!

※特定の場所にいる時だけ使用できる、snapchatのフィルター。地名やイベント名が入ることが多い。

snapchatのジオフィルター。 snapchatウェブサイトより(https://www.snapchat.com/geofilters)
snapchatのジオフィルター。 snapchatウェブサイトより

Oak Labsは、今後まずアメリカ国内において「The Oak Fitting Room」の導入を更に増やしていくとのこと。このフィッティングルームがもっと普及すれば、ショッピングがもっと楽しく、快適になること間違いありません。また、ニューヨークに行く樹会があれば、ぜひPOLO RALPH LAURENのストアで、実際に体験してみてください!

Text : Paris Wakana

All photos by Oak Labs

Oak Labs

http://oaklabs.is/

DiFa編集部



PICK UP

SPECIAL

LATEST

BUSINESS
LATEST