Business | 2018.03.08
RETAIL 20/20 FORUMで「レベッカミンコフ」 CEO ユリ・ミンコフが語る「スマートで新しい買い物体験」

RETAIL 20/20 FORUMで「レベッカミンコフ」 CEO ユリ・ミンコフが語る「スマートで新しい買い物体験」

2018年2月28日、モード界をリードするアメリカと日本で発行されるファッションメディア「WWD」と、株式会社ルミネ共催によるファッションフォーラム、「RETAIL 20/20 FORUM」が開催された。
急速に変化する経営環境の中で、「いかに将来を見据え、次なる時代の価値創造をしていくか」というテーマのもと、新しいビジネスに挑戦し続ける豪華企業やブランドが国内外から集結し、セッションを行った。

–RETAIL 20/20 FORUM会場内 撮影:Saito Masayuki for WWD

セッションでは、ロンドンを本拠とするラグジュアリーEコマースサイト、「Matchesfashion.com (マッチ ズファッション・ドット・コム) 」のCEOである、ウルリック・ジェローム氏や、アメリカのファッションブランド、「TOMMY HILFIGER(トミーヒルフィガー)」のプリンシパルデザイナー、トミーヒルフィガー氏等が登壇し、デジタルの活用法や今後の展望等について語った。

–TOMMY HILFIGER プリンシパルデザイナー トミーヒルフィガー氏 撮影:Saito Masayuki for WWD

今回DiFaでは、デジタルを活用した新しい買い物体験や、デジタルを取り入れたファッションアイテムを積極的に展開する米国のファッションブランド、「Rebecca Minkoff(レベッカ・ミンコフ)」のCEOである、ユリ・ミンコフ氏にインタビューを行った。

About Rebecca Minkoff(レベッカ ミンコフ)
2001年、デザイナーのレベッカ・ミンコフがアメリカ・サンディエゴで設立したファッションブランド。ミレニアル世代をターゲットに、アパレル・ハンドバッグ・シューズ・ジュエリー・テックアクセサリーまで幅広い商品を展開。商品は現在、世界900以上の店舗で販売され、成長と拡大を続けている。

About Uri Minkoff(ユリ・ミンコフ)
ファッションブランド、「Rebecca Minkoff(レベッカ ミンコフ)」の最高経営責任者及び共同創業者。店舗・ウェブ・モバイルの融合を通じた革新的な顧客体験、新技術を活用した店舗づくりやプロダクト開発等において、先進的なCEOとして知られている。また、2015年のランウェイショーで「See now,buy,now(シーナウ・バイナウ)」をファッション業界にもたらしたと言われている。

–商品のレコメンド等が出来る、画期的なスマートミラーを実店舗に導入しています。これにより、売上や”スタッフの働き方”に変化はありましたか。

特に、デザインチームに大きな変化をもたらしています。以前から、売れた商品というのはデータで分かったのですが、スマートミラーの導入により、フィティングルーム内での動きも把握できるようになり、持ち込まれる商品の組み合わせから、デザインチームはプライスポイントを考えることができるようになりました。
また、お客様の中にも手伝いが必要な人とそうでない人がいます。このスマートミラーがあれば、サイズやカラー、新商品に関しても全てタッチパネルで確認することが出来、スマートに買い物をすることが出来ます。スタッフにとっても、サイズのやり取りなど、ぎこちない会話をせずに、ダイレクトにスタイリングの会話が出来るのは良い点だと思っています。

–ブランドのターゲットが”ミレニアル世代”ということですが、実際の客層はどうですか。

私達の究極のターゲットは27歳ですが、実際は18歳から34歳のお客様がいます。27歳って、生活が大きく変わる時期だと思うんですよね。学校を卒業して、自分で生活ができるという大きくショッピング体験が変わる時期。その変化が生まれる時期に私達のブランドはお客様に寄り添っていたいと思っています。

–Rebecca Minkof CEO ユリミンコフ氏 撮影:Saito Masayuki for WWD

–EコマースとSNSの連動が非常にスマートな印象です。まず、オンラインと実店舗の売上の比について、またEコマースの運用のポイントについて教えてください。

まず、Eコマースの売上は、実店舗の売上の4倍程度ですね。また、EコマースとSNSとの連動に関してですが、例えば、お客様がSNS上で、レベッカミンコフのハッシュタグをつけてアップすると、私達が管理するフィード上に上がってきます。それを私達のチームがレビューして、ライブラリやEコマースのプロダクトの紹介ページに載せています。なぜこういったことをするのかと言いますと、アップされたお客様の写真をクリックした人の方が、オーダー率が50%高いんですよね。消費者同士のインターアクションがあることによって、コンバージョン率が向上するという意味でも、これは非常に強力なコンテンツだといえます。
また、現在は何かを知りたい時、Googleではなく、Instagramで検索をしますよね。Instagramで検索をして、その後にウェブサイトに行くというのは自然ではないと感じ、去年、Eコマースの大幅な変更を行いました。SNSとEコマースのどちらを見ても同じような写真や物語があることが大切です。

Rebecca Minkoff ウェブサイト内のギャラリーページ

–購買データや試着のデータ等、様々なデータを蓄積されています。そのデータは今後、どのように活用していくのでしょうか。

現在私達は、蓄積した大量のデータをどのようにしてい活用していくのか、試行錯誤しています。例えば、EコマースやSNSのデータをマーチャンダイジングやデザインに活かすこと等が挙げられます。売上が上がった理由は何なのか、トラフィックや離脱のデータ等を元に分析することも出来ます。どうしてもデザイン側とテクニカル側にはそれぞれ求めるものの乖離が生じがちです。ですが、データがあることによって、マーチャンダイザー個人の意見ではなく、現実としてこういう消費データがあがっているということが証明出来るので、デザイナーも消費者のニーズを受け入れることが出来、納得しながら今後のデザインに生かすことが出来ます。そういった意味でもデータとデザインは今後より密接に繋がっていくと考えます。

–iPhoneを充電出来るモバイルバッテリー等、デジタルを取り入れたファッションアイテムを積極的に販売されています。その中でもどんなアイテムの反応が良いのか、また今後はどういったアイテムを強化されていく予定ですか。

一番成功したのが、「General Electric Company(以下:GE)」とのコラボレーションで実現した、自撮り用ライトですね。GEのライトの技術を活用してつくったのですが、とにかく何万個も売れ、大ヒットしました。あとは、充電関連ですね。みんな常に充電切れをしていますので、”充電”というのはお客様にとって、非常に重要な要素となっています。

–スマートフォンのチャージが出来る「Charming Powers Battery Bank

–スマートミラーを始め、チャットボットやIoT等、デジタルを活用した取り組みが印象的ですが、今後やってみたいことや注目していることはありますか。

ブロックチェーンが非常に面白くなると思います。どこから商品が来たのか、誰がその前に持っていたのか等をブロックチェーンが整理してくれるようになると思います。
あとは、VR・ARです。バーチャルフィッティングやバーチャルショッピング等が、今後更に増えてくるのではないでしょうか。例えば日本の地方にいて、伊勢丹新宿に行けないとしますよね。そしたらその人をどうやったら伊勢丹に行った気分にさせてあげられるか、VR・ARを活用すれば、いずれ実現出来ると私は信じています。

Rebecca Minkoff

https://www.rebeccaminkoff.com

<フォーラム登壇者一覧>

・新井良亮氏 取締役会長 株式会社ルミネ
・アレクセイ・アグラチェフ氏 最高経営責任者および共同創業者 リテールネクスト
・ジョン・エリオット氏 デザイナー ジョン・エリオット
・近藤宏幸氏 代表取締役社長 株式会社マッシュホールディングス
・佐々木進氏 代表取締役社長  株式会社ジュン
・ウルリック・ジェローム氏 最高経営責任者 マッチズファッションドットコム
・アルビン・ジョハンソン氏 最高経営責任者および共同創業者 アクセルアリガト
・ヴィブー・ノービー氏 最高経営責任者および共同創業者 b8ta
・トミー・ヒルフィガー氏 プリンシパルデザイナー トミー・ヒルフィガー
・ジョー・ホーガン氏 創業者 メッカブランズ
・ラナ・ホプキンス氏 創業者および最高経営責任者 モンパース
・ユリ・ミンコフ氏 最高経営責任者および共同創業者 レベッカミンコフ有限責任会社
・山川奈織美氏 エキスパートアソシエイトパートナー マッキンゼー・アンド・カンパニー

DiFa編集部



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