Business | 2018.07.27
《連載》 データから読み解くファッション vol.2 前編〜リアル+ネット、服+メイク・ケア、モノ+シーン 拡張するファッション=見た目意識

《連載》 データから読み解くファッション vol.2 前編〜リアル+ネット、服+メイク・ケア、モノ+シーン 拡張するファッション=見た目意識

2010年代も終盤に差し掛かり、ファッションとの向き合い方、楽しみ方は10年前とは大きく様変わりしている。ファッションは今、どこに向かおうとしているのか。伊藤忠ファッションシステム(以降 ifs)が毎年行っているWEBアンケート調査結果から、今後新たな時代のムードを作っていく世代である20代(ifsオリジナル世代区分:LINE世代[1992~96年生まれ、現在22~26歳])の結果に注目。

データからファッションに対する今、そしてこれからの気分を紐解く本連載。今回は、特にLINE世代女性の結果に注目し、ファッション消費に関わるデータを紐解きながら、今どき女子のファッション消費の実態、ファッションの役割や位置づけを明らかにする。

見た目をトータルに意識

【データ1】はお金をかけたいジャンルについて複数回答で尋ねたもの。トップ5に並ぶ項目ではほとんどが ifsの世代区分中最も高い反応を示している(3位「ボディケア~」のみプリクラ上世代に次ぎ全世代中2番目に高い数値)。トップ3に「ファッション」「メイク」「ボディケア~」と見た目づくりに関わる項目が並ぶことから、自分の見た目に対するトータルな意識が高いと言えそうだ。

ifsが実施したビジュアルアンケートで「この1年で最も満足度の高かったファッションの買い物」を尋ねると、メイクグッズを挙げる人もおり、ファッション自体が、服だけではなく全体的な見た目づくりに関わるものと捉えられている様子もうかがえる。

また、若者の「ファッション離れ」と言われて久しいが、1位に「ファッション」がランクインしていることからも、以前の20代に比べ購入金額が目減りこそすれ、実態としてファッションに対する興味関心を失っているわけではないことに、送り手は留意するべきだろう。

ファッションはシーンを盛り上げるツール

【データ2】は服にお金をかけたいシーンについて複数回答で尋ねたもの(2018年3月実施)。トップ10に並ぶ項目を見ると、1位「オフの日に外へ出かける日」、4位「恋人と過ごす時」、6位「特別な場所へのお出かけやイベントに参加する時」、9位「花火やハロウィンなどの季節イベントを楽しむ時」など、特定の場で人と共に過ごすシーンへの反応が全世代中最も高くなっている。

特に、ナイトプールやハロウィンなど季節イベントのブームを牽引しているのもこの世代であり、【データ1】お金をかけたいジャンルでも「イベント・フェス」が6位に挙がることから、関心の高さがうかがえる。

水着、浴衣、双子コーデなど、ファッションはテーマが設定されたアクティビティに対して、そのテーマ性やイベント性に思い切り浸るためのツールとなっており、そうしたアクティビティがファッションを楽しむ大きなモチベーションの一つになっているようだ。

また、参加するだけではなく、その場を楽しんでいるシーンをシェアすることが、イベントやフェスを楽しむ行動の一連の流れになっている。物理的な見た目だけではなく、いつ、どこで、誰と、どんなふうに過ごしているかを伝えるSNS上の画像や動画が、広い意味での見た目になっているとも考えられる。

ifs オリジナル世代区分とは
ifsでは、高校卒業前後から20代前半にかけての消費自己裁量権獲得時期に経験したファッションやカルチャーが生活者の消費志向に大きな影響を及ぼす18歳から82歳(2018年12月現在)までの生活者を11に区分。世代別に価値観や消費行動の特徴を整理している。

LINE世代とは
1992~96年生まれ、現在22~26歳。2000年代~2010年代の急速なデジタル化・ソーシャル化の中で10代を過ごし、つながりの中での最大公約数的状態を志向する特徴を持つ、デジタルネイティブ世代。
※データは2018年3月に実施したWEBアンケート調査からLINE世代女性の結果を抜粋した。

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〜後編へ続く

 
 

筆者:中村ゆい 伊藤忠ファッションシステム株式会社 ナレッジ開発室
一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、2014年より博士後期課程在籍。2008年、伊藤忠ファッションシステム(ifs)入社。現在は、主に会員制マーケティング組織「FA CLUB(ファッションアスペクトクラブ)」の運営やマーケティングレポート誌『FA流行誌』の企画・編集、トークセッションシリーズ「ifs fashion insight」の企画・運営を中心に、これからの時代を見据えるための視点・知見の開発・対外発信に携わる。
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ifsでは、経年の生活者調査を背景とする独自のファッション視点に基づき、ブランディング・マーケティングコンサルテーションを中心にビジネスを展開中。

*伊藤忠ファッションシステムが主催する「ifs fashion insight」は、「新たな年代に向けてファッションを再定義する」をミッションに、次なるファッション×ビジネスの視点を提供する全6回シリーズのトークイベント。第1回に引き続き、2018年6月27日にInnovation Space DEJIMAを会場に行われた第2回では、雑誌「mini」編集長・見澤夢美さん、ネットメディア「ローリエプレス」の編集長・遠藤優華子さんをゲストに迎え、「めざせ、いじられ上手!―SNS世代との関わりの作り方」をテーマにトークセッションを行った。

 

DiFa編集部



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