Business | 2018.08.30
【中編】DiFa主催セミナー「業界リーダーから学ぶ! eコマース2.0 ~新しいモノの買い方・売り方~」リポート:小関翼氏

【中編】DiFa主催セミナー「業界リーダーから学ぶ! eコマース2.0 ~新しいモノの買い方・売り方~」リポート:小関翼氏

2018年8月、DiFaが主催する企業のマーケティングおよび広報・PR担当者向け勉強会「業界リーダーから学ぶ! eコマース2.0 ~新しいモノの買い方・売り方~」が開催された。

イベントは全三部構成となっており、業界で活躍する3名の講師が登壇した。中編となる今回は、スタイラー株式会社 CEO & Founder 小関翼氏による講義「対話型コマースで変化した購買スタイルとは?」についてレポートする。

オンラインとオフラインの長所をつなぎ購買も完結する“FACY”

第2部の講師、スタイラーの小関翼氏は、2015年に同社を設立。日本初となる会話型コマースプラットフォーム「FACY(フェイシー)」をリリースした。以降、順調にユーザー数とショップ数を伸長。設立当初より、“未来の購買体験をアジアから創造すること”を目標とし、今年2018年1月には台湾でもサービスを開始し、アジア進出を実現した。

FACYは、ファッション・アパレル店舗向けのO2O(オフライン・トゥ・オンライン)サービスのファッションアプリとして、支持を得ている。アプリを介して、ユーザーはネットからリアルな世界へとつながる。

具体的には、ユーザーが欲しいアイテムの情報をアプリ内で投稿すると、全国のショップからトレンドのアイテムが提案される。2017年9月にはオンラインで購買・決済が完了するコマース機能が搭載され、オンラインでもリアル店舗での対面接客に近い購買体験が実現し、利便性も向上した。なお、FACYは現在、約40万のユーザーを抱え、さらに、その他サイトからサービスを利用するユーザーも含めると、その累計は約400万ユーザーにも上るという。

途上国ではコミュニケーションによる購買スタイルが主流

SNSを利用したコミュニケーションで購買が完了

実はFACYのような購買スタイルは、「中国や東南アジアなどの途上国では当然」と小関氏は語る。というのも、途上国では「Leapfrog(リープフロッグ)」と呼ばれる現象が発生しているからだ。

Leapfrogとは、インフラが未整備かつ発展途上の段階で、一足飛びに新しい技術が普及するとを目指す。たとえば、パソコンが登場する前にスマートフォンが普及したため、途上国では、「スマホでコミュニケーションをとって解決する」のが常識となっており、日本のように「パソコンで検索して調べる」という行為は存在しない。

そのため途上国では、「ショップが公式ホームページを持つという概念もない。SNSを利用するのが普通だ。ショップがFacebookに商品情報を投稿すれば、ユーザーはそこでサイズやコーディネート、果ては値下げ交渉までも行う」と小関氏は語る。つまり、途上国ではSNS上で店員と顧客がコミュニケーションを取り、リアルで購買が完了することがもはや珍しいものではなくなっているのだ。ただし、こうした現象には、途上国ではクレジットカードの普及率が低く、デビッドカードを使う決済行動の方が幅広く浸透していることも影響している。それでも小関氏は、「アジアのトレンドを追うことで、日本のコマースの未来もわかる」と伝えた。

オフラインとオンラインの融合

「Euromonitor(ユーロモニター)」というローランド・ベルガーが行った世界のアパレル市場推移(※)によれば、小売業やファッションのマーケットは、世界的には著しく伸びており、10年後には2倍になると予測される。特に伸びが大きいのが中東・アフリカ・東欧で、続いてアジアとなる。なお、先進国である北米や西欧においても成長は見込まれており、構造的に継続的マイナス成長が見込まれる日本とは対照的だ。

日本では右肩下がりのアパレル市場も、途上国では成長産業に属している。その背景には、途上国は、スマートフォンを使い、オンライン上で情報を取得、オフラインで買いに行く、という行為が日常化していることが挙げられる。

小関氏はそうした動きについて、「インフラが整っていない国の方が、オフラインの流通も伸びている」と指摘。ベトナムの人気サイト“JUNO”ではO2Oの手法が取り入れられており、店員によるメッセージでの応答に加え、店舗から数キロ県内のエリア限定で配達サービスなども行う。また、インドでは、アパレルのECスタートアップのオムニチャネル化が加速。オンライン販売にとどまらず、実店舗の設置に積極的な企業ブランドが増加しているそうだ。これもまた、“日本とはほぼ真逆の戦略”が、功を奏している形と言えるだろう。

小関氏は会社設立当初から、「オンラインとオフラインを分けても意味がないのではないか」という考えのもと、FACYを開発。オフラインとオンラインの融合をいち早くサービスに導入した。今後は「さらに海外展開を加速させていきたい」と展望を語り、第2部の講演が終了した。

TEXT:FUMIKO SATO

前編はこちらから

DiFa編集部



PICK UP

SPECIAL

LATEST

BUSINESS
LATEST