Special | 2016.02.04
横田 結さん「普通の女の子にテクノロジーをより身近に感じてもらいたい」 ―【連載】デジタルファッショニスタを追え☆

横田 結さん「普通の女の子にテクノロジーをより身近に感じてもらいたい」 ―【連載】デジタルファッショニスタを追え☆

DiFa編集部が注目する、テクノロジーとファッションの情報感度が高い女子「デジタルファッショニスタ」の生態を解剖する連載「デジタルファッショニスタを追え☆」。

6回目の今回はYahoo! JAPANにてIoT領域における新事業「myThings」の企画やプロモーションを手掛け、DiFaでもご執筆をいただいている、キュートな横田 結(ゆい)さんをご紹介します。

横田 結(Yui Yokota)

myThings 企画・プロモーション
1992年生まれ。現在ヤフー株式会社にて「myThings」のサービス企画、プロモーション、ビジネスアライアンスを担当。プライベートでは、学芸員資格やダンスの経験を活かし、舞台の企画演出デザイン・撮影など幅広く活動。DiFaメンバーとしても執筆中。個人的な情報発信はTwitterから。

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幼少のころから美術館好き、それが今につながっている

――現在はどんなお仕事をされているのでしょうか?
Yahoo! JAPANで「myThings」というスマートフォンアプリの、サービス企画・プロモーション、外部との提携などのビジネスアライアンスなどを担当しています。

――ちなみにmyThingsはどんなアプリなんですか?
1行で言ってしまうと”WebサービスやIoT(※)プロダクトを組み合わせて毎日を便利に楽しく出来るアプリ”です。

(※IoTとは、Internet of Thingsの略。つまり、”モノのインターネット”のこと。身の回りにある、さまざまなモノがインターネットに繋がる仕組みのことを指します。)

世の中にある色々なWebサービスやIoTプロダクトを組み合わせ、自分好みの使い方ができるというものなんですが、現在40チャンネル(2016年1月29日現在)の連携先があり、今後も増えていく予定です。

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横田さんが手がけているmyThingsのアプリ画面。「YouTubeから新しい作業用BGMが自動でEvernoteにメモされる」「運動をサボっていると自動的にタスクリストへ追加される」など、Instagramやtwitter, Facebook, Gmail, Evernoteなどのサービス同士やIoTプロダクトを組み合わせてカスタムした使い方ができます。

――横田さんご自身では、ファッション×テクノロジーにまつわるブログでの情報発信などもされていますが、元々こういったテクノロジーやウェブ、そしてファッションという分野に興味を持たれたきっかけはなんだったのでしょうか?

私、美術館がほんとに好きなんです、小さい頃から。好き、というか、週末のたび美術館へ行くような家庭で育ったんですね。なので、美術館と展覧会のカタログから情報のストックをしていっていた感じ。

中高時代は創作ダンスをやっていたんですけれど、ようやくその知識や考え方をアウトプットする機会が出来たんです。テーマがあって、伝えたい事を考えて、曲とか衣装とか振付とか、舞台全般をチームで創作するんですけど、じゃぁ私は何を価値として提供出来るかなって考えたとき、美術館や展覧会で感じた事とか得た知識、物事を捉える視点とかを還元できるなと思って、これまでのストックをどんどんアウトプットし始めたんです。それがひとつルーツになっているかなと思います。

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あと、高校では卒業論文を書く機会があったんですが「なんで私がこんなに魅了されている美術館に、みんなは行かないんだろう?」と純粋に思って(笑)、それをテーマにしたんですね。

当時、調べたら全国60の美術館のうち10館しかモバイルサイトを持っていなかった。「もっと適切なタイミングと内容で魅力を届けられるんじゃないか?」と思ったのは、いまインターネット業界にいる私に通じていますね。実際に来館者に聞いてみないと!と考えて、自分が当時一番感銘を受けていた「21_21 DESIGN SIGHT」に、「アンケートやらせてください!」ってお願いしに行ったりもしました。それがご縁で大学時代アルバイトもさせていただくことになって。

三宅一生デザイン文化財団による、この「21_21 DESIGN SIGHT」では、デザインに関する展覧会が行われているんですが、世の中に対してファッションを含めデザインなら何ができるか?と考えているのを、バイトながら4年間傍で見ているような環境で。

途中、3.11の震災が起きた時も、ディレクターの皆さんの何が出来るだろうかと考え実行している様子をみたりして、色々な影響を受けましたし、テクノロジーとか最新技術、デジタル、オリジナルアプリケーションへの取り組みも早かった。若い世代にアグレッシブに伝えようとしているところも魅力的で。それが興味のベースになっているかもしれませんね。

マニアックな製品を追いかけるのも好き!

――お仕事柄、デジタルアイテムに触れる機会は多いと思いますが、実際に普段の生活でも活用していますか?

もちろんこの仕事についてからは、特に積極的にIoTプロダクトを使っています!自宅には5~6個くらいはありますかね。スマホと連携するWithingsの体重計、日々の活動を追ってくれるウェアラブル「UP」、植物の状態をリアルタイムにスマホで管理できる「Flower Power」、紫外線を計測してくれるアクセサリーnetatomoの「June」、コミュニケーションロボットの「BOCCO」とか。

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左から、横田さんの自宅にあるWithingsの体重計、BOCCO、Flower Power

仕事で興味をもったなかで、気に入ったものを手に入れています。あと私、クラウドファンディングの「Kickstarter」を見て、過去のプロジェクトの今を追跡するのも好きなんですよ。「あれだけメディアで騒がれたプロダクトは今!?」みたいな感覚で、当時の話題製品の進捗を探しに行くっていうマニアックなこともしてます。投資はしなかったけど、製品化されてるかどうかは気になるじゃないですか(笑)

――マニアック!(笑)ちなみに、愛用しているウェブサービスやアプリはありますか?

「Popcorn」というサロン・マッサージの当日予約・直前予約アプリはよく使ってます。前日の夜20時からしか予約ができない、いわゆる「直前予約アプリ」ですね。

美容にどれだけコストをかけるかは、人それぞれだと思うんですが、私は普段のネイルはシンプルなものが好きで、なおかつ「今から行きたい!」って思う衝動性の高いサービスなので、条件とかメニューとか細かく入れて検索するよりも、すぐ予約できることが重要なんです。直前なので、通常価格より割引もあったりして。タイミングよく安いプランが見つかったらリフレとかも行きますよ。これは本当に重宝しています。ちょっと人に知られたくないくらい(笑)。

ファッション系だと定番ですけど「Pinterest」は情報収集用に結構使っています。……これ、宣伝になっちゃうんですけれど(笑)「myThings」経由で例えば「あるアカウントがInstagramにPostしたら、自分のPinterestボードに自動Pinする」といったことが設定出来るんですね。

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myThingsを使って、Instagram上のスマートジュエリーに関連したコーディネート画像を自動でPinterestに集めているそう。

――あ、こんな風に使えるんですね。便利。これ、やります(笑)。
ぜひ使ってみてください! Instagramってフォローし過ぎると、タイムラインがごちゃごちゃになってきちゃうじゃないですか。myThings経由で「Instagram」×「Pinterest」の組み合わせを選択して、アカウントとかハッシュタグの自動Pinを設定しておくと、フォローしなくてもPinterestのボードに素敵なアイデアを貯めておいてくれるんです。ホント便利。

EC系だと日本未発売のものをチェックしたりできるので「BUYMA」はよく使います。美容分野だと、先日DiFaでもレポートを書かせていただいたんですが、オンラインコーチングの「Clubelle」が面白かったです! 一回試してみたらすごくよかったので、アフターケアまでやってみたいと思っちゃいました。お金がちょっとかかりますし、海外3拠点ある中のどれかに時差を合わせないといけないので、そこが少しネックですけどねー。(参考記事:【体験レビュー】ロンドン発!オンラインの美容パーソナルコーチング「Clubelle」を試してみました)あと……アレクサ・チャンが関わっているという「VILLOID」は、これからちょっと使い方を模索したいなと思っているところです。

――3Dプリンティングとかモノづくり系のサービスを使ったことはありますか?
3Dプリンティングでアクセサリーが作れるサービスって結構出てきてるじゃないですか。どれがいいのかなぁと思って見てるんですけれど、それを3Dプリンティングで作ることの意味ってなんだろう、3Dプリンターでしか実現できないシェイプってあるんだろうか、っていうところがちゃんと解ってないと、どれがいいのか価値が解らなそうなので。レクチャーも込みでやれたらいいなぁとは思っています。

ほかのファブリケーション(モノづくり系のサービスのこと)も、これからやってみたいです。

情報源は目的やカテゴリに合わせて貪欲に

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――よく読んでいるサイトは?

著名な媒体はTwitterでフォローして読んでいますが、「THE FASHION POST」とかは好きですね。あとは海外の「Wareable」とか。

――今、SNSで注目しているアカウントはありますか?

ファッション関連だと、はりーさん(@hurry1116)かなぁ……。この方、世の中のホットトピックスを自分なりに咀嚼して表現する感性がとびぬけてるんですよ。私、この方実際に会ってみたいんです! DiFaの企画で会えないですか?(笑)



――確かに、鋭い視点が面白い。いいですね、近々に、何かやりましょう(笑)

あとは、オンラインでカスタムオーダーのスーツを制作されてる「LaFabric」の森社長(@yuichirom)みたいな方たちのツイートも面白いです。Instagramだと海外のおばあちゃんファッショニスタたち、例えばツィポラ・サラモンさん(@tziporahsalamon)が好きなんですよね。世界各地のミューズを見るのは楽しいです。

――ちなみにそういう情報はどこから得てますか?

一番の情報源は、やっぱり各々の情報に詳しい知人・友人なんですよね。それは間違いないので定期的に会うようにしています。この人は魅力的な本を教えてくれる、この人はファッションの話を必ず、とか。他はRSSフィードですかね。myThingsのチャンネルにRSSやFeedlyがあるので、領域に応じて設定して情報収集してます。

――SNSでタイムラインに流れてくる情報だけに目を通すというだけではなく、横田さんは能動的に情報を取りに行かれてますよね。

最先端の技術やデータがあったときどうしたら、若い女の子が手放しで面白がってくれるか?というのを考えたいと思っていて。仕事として担当している「myThings」はメディアという形は取っていないのですが、啓蒙活動というか、そういう部分にも私の使命はあると思っているので、意識的にたくさんの情報を能動的に取りに行こうというのはあるかもしれません。

「モノのフォルム」くらい「ヒトの挙動」が気になる

ただ、情報として読み込んでいるだけだと、だんだん頭でっかちになっていっちゃうので、実際に体験して「人が、その新しさに触れたとき、どういう振る舞いになるのか」を考えることは大事にしています。

例えば「財布が小さくなると、身軽になってより女性のファッションが洗練される」という視点でのイノベーションを考える場合、実際にそれをレジで使おうとしたとき=それと持ち主が対峙したとき、周りから見てどういう所作になっているのか、そのヒト全体のフォルムや挙動の部分が気になるので、自分自身でちゃんと体験して咀嚼したいなという思いがありますね。

いくら小さくても幾重にも折り畳まれた財布を、パタパタとレジ前で操作する女性はトータルで美しくはない。それらすべてをライフスタイルとして考えデザインすることで、世の中を豊かに美しくしたい。全て今の仕事に活きてくるのかなと。

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この日は紫外線量を測ってスマホで教えてくれるスマートアクセサリー「JUNE」を、手持ちのヴィンテージリボンに通して、クラッチバッグとコーディネート。リボンはその日のファッションに合わせて変えて、楽しんでいるんだそう! さすがです。

私、ボタンをつくってみたいんです。

――では最後に、デジタルテクノロジー×ファッションでやりたいことってありますか?

あります。

私、洋服のボタンを作りたいんです。私はプログラミングとかできないので、誰かとタッグを組まないと作れないし、考えてる方は他にもいらっしゃるとは思うんですけれど。ボタンって良くないですか? 誰の服にも当たり前についてるし。例えば、制服の第一から第六ボタンまで違うプログラムをもってるボタンがあって、卒業のときに自分がもらったボタンによってメッセージが変わったりしたら面白いよね、とか。

なんか、こういう「既存にあるものをコッソリ付け替えて楽しめる」みたいな感じがいいなって思っていたりします(笑)。

――それ、誰かとタッグ組んで作れないですかね。捜してみます? 今日このあと編集部がお邪魔するところに、よさげな方がいらっしゃる気がしてます(笑)。

え、やりたい、おねがいします(小声で強く)

――繋がるといいですよね。ちなみにやりたいこと、他にもあったりしますか?

そうですね、もっとテクノロジーの恩恵をわざわざ誇示すること無く、日本の一般的な女の人達にテクノロジーをより身近に感じてもらえるようなサービスをやりたいですね。

「myThings」も、テクノロジーを意識させずに手軽に恩恵が受けられるようなデバイスともっと繋がっていって、その価値を一層高められるような、ライフスタイル全般の価値を向上できるようなサービスにしていきたいと思っています。

――なるほど。これからも楽しみですね。今日はありがとうございました!

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こちらのどんな質問に対しても、簡潔で解りやすく、まとまった回答をされる横田さん。取材中、にこにこと終始楽しそうにお話しされている様子がとても印象的でした。

ご自身の発想力や創造力のルーツに学生時代に取り組んだ「創作ダンス」があるともおっしゃっていましたが、お話をうかがっている最中に何度も「自分で見たもの聞いたものを咀嚼する」「ヒトの身体の動きや所作のフォルムが気になる」というフレーズが出てくるたびにそれを実感しました。

誰かと組む必要があるんだけど……とおっしゃっていた例のアイディア。DiFaを通じてよきパートナーが現れ、開発、商品化へ進むといいですね!楽しみです。

Text : Miho Iizuka, Interview : Hiroaki Mizutani, Interview&Edit : Nagisa Ichikawa, Photo : Soshi Setani

DiFa編集部



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