Special | 2016.03.03
【後編】デジタルシフトで変革期を迎えるファッションシステム

【後編】デジタルシフトで変革期を迎えるファッションシステム

この記事はコラム『デジタルシフトで変革期を迎えるファッションシステム』の後編です。前編はこちらから。

3. ブランドやデザイナーのコレクションへのアプローチの変化

イメージのコントロールの観点から、オンラインサイトやソーシャルネットワークへの対応に慎重だったブランドやデザイナーも、2010年代に入ると世界観や最新のコレクションを消費者に直接伝えることができる側面をポジティヴに捉え、積極的に活用していくようになります。

2月23日に発表されたBURBERRY 2016-17年秋冬コレクション ― Photo by BURBERRY
2月23日に発表されたBURBERRY 2016-17年秋冬コレクション ― Photo by BURBERRY

最も象徴的な例が、ランウェイショーのライヴストリーミングです。これまで一部の招待客のみが体験することができた、ランウェイショーの模様をそのままライヴストリーミングで世界中どこからでも視聴可能にしたという点で、コレクションのルックのオンラインメディアでの即時公開以上に大きなインパクトをもつものでした。

当初は、画質の低さや配信の遅延などで快適な視聴というには程遠いケースも散見されましたが、現在では技術的な進歩もあり、非常に高画質でスムーズな映像が提供されるようになりました。ショーの後には、YouTubeやFacebookでコレクションのフルレングスの映像がアーカイヴとして公開されることも一般的になっています。

最近では、ショーの進行に合わせてTwitterやInstagramでルックを公開するのにとどまらず、Snapchatのような親密性の高いコミュニケーションプラットフォームを通じて、ショー直前にショートな動画でコレクションのプレヴューを見せる事例も見られるようになりました。

「GUCCI」が2016-17年秋冬コレクション発表前にSnapchatで発信していたコンテンツ — GUCCI snapchat(@gucci)より
「GUCCI」が2016-17年秋冬コレクション発表前にSnapchatで発信していたコンテンツ — GUCCI snapchat(@gucci)より

オンラインメディアに代わって、ブランドやデザイナー自身がコレクションを消費者に伝える最前線に立つまでに、コレクション情報の伝達の在り方は変化してきているのです。

ブランドのイメージ構築のひとつの手段として

こうした流れは、インターネットやスマートフォンの普及といった要素により加速された側面もあるものの、ブランドビジネスの世界規模での拡大を目的に、より幅広い層へとリーチを求める方向へと進んでいったブランドのイメージ構築の手段の変化当然の帰結ともいえます。エンターテインメント志向を強めていったランウェイショーはその代表的な例です。

特に、1980年代から90年代にかけてのいわゆるスーパーモデルの人気は、MTVに代表されるヴィジュアルイメージ重視の新しいメディアやエンターテインメントと結びつき、ハイエンドなファッションブランドやデザイナーの世界そのものをポップカルチャーの一部として、大衆的なレベルで認知させることに、大きな影響を及ぼしました。

こうした流れが、アメリカやアジア、中東といった地域の急速な経済成長による潜在的な購買層の拡大と重なり、ファッションブランドのビジネスの在り方にも大きな変化をもたらしていくことになります。

購買層へのリーチという点では、キャンペーンにおける女優やミュージシャンなどのセレブリティの起用が一般的になるのと同時に、ビッグメゾンのコレクション発表も元々のバイヤーやメディアに向けたトレードショー的側面から、より宣伝効果も意識したものとなり、エンターテインメントショー的な規模で行われることも珍しくなくなりました。新作の服やアクセサリーといったコレクションの内容そのものだけではなく、ショーに招待されるセレブリティも含めて、ブランド全体でいかに注目を集めるかに力点が移ってきています。

ここ数年は、Instagramなどのソーシャルネットワークにおけるイメージの拡散を目的に、膨大なフォロワー数を誇るリアリティショー出身のケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)やジジ・ハディッド(Gigi Hadid)らをモデルとしてショーやキャンペーンに起用する動きが相次いでいます。

リアリティショーは1990年代にMTVが先鞭をつけた番組形態で、2000年代には『Hills』やそのスピンオフのシリーズからローレン・コンラッド(Lauren Conrad)やオリヴィア・パレルモ(Olivia Palermo)といった、初期のファッションセレブリティを生み出しました。

NYコレクション「TOMMY HILFIGER」のランウェイに登場した、ジジ・ハディッド — Ovidiu Hrubaru / Shutterstock.com
NYコレクション「TOMMY HILFIGER」のランウェイに登場した、ジジ・ハディッド — Ovidiu Hrubaru / Shutterstock.com

個人の生活をエンターテインメントとして衆人に見せるというメンタリティは、こうしたリアリティショーを通じて一般層にまで浸透したといえ、Instagramの興隆とファッションの世界との蜜月関係は必然といえるでしょう。

モデルのみならず、スタイリストなどコレクションの裏側を支えるメンバーの起用の際も、ソーシャルネットワークのフォロワー数が考慮されているという話題もしばしばメディアで取りあげられており、コレクションにおいてはブランド全体での消費者へのリーチを巡る総力戦の様相を呈しているように見受けられます。

こうした流れの中で起こったその頂点ともいえる出来事が、昨年のローンチ以降、世界中で大きな反響を呼んでいるカニエ・ウエスト(Kanye West)と「Adidas Originals」による「Yeezy」ラインの最新シーズンの発表です。

2月からはじまった2016年秋冬のファッションウィークのキックオフ的なタイミングで行われたイベントの会場は、普段はスポーツやライヴイベントで使用されるニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで、ゲストはチケット購入者も含め2万人。カニエ・ウエスト自身の最新アルバム『The Life of Pablo』のリスニングパーティも兼ねるという、まさにエンターテインメントそのものというイベントでした。

プレコレクションのイベント化

通常のファッションウィーク以外の動きに目を向けると、従来はショー形式で発表されることのなかったプレコレクションの発表においても、イベント化が進んでいます。

「CHANEL」がその時々の趣向によって、メインのコレクションの発表の場であるパリ以外の土地でプレコレクションのランウェイショーを開催し始めると、「Christian Dior」や「LOUIS VUITTON」、「GUCCI」といった資金力のあるブランドが追随。「PRADA」の傘下にある「miu miu」も、オートクチュールの期間中のパリでプレコレクションのショーを行うことが定着しています。

一方で資金力のないブランドや若手のデザイナーは、先に挙げたファッションウィークのスケジュールの過密化と合わせて、以前にも増してどのように自分たちのコレクションに注目してもらうかに苦慮している状況です。

またビッグメゾンにおいても、コレクション数の増加やショーのイベント化は、デザイナーに大きな負担を強いています。昨年10月にChristian Diorのクリエイティブ・ディレクターのラフ・シモンズ(Raf Simons)が、自身のブランドに当てる時間などをつくるために同職を退任したことは、現在の加熱した状況への危機感を改めて意識させる出来事でした。

4. ブランドやデザイナーの対応と今後

これまで見てきた変化とそれがもたらした課題を改めて整理してみると、

① デジタルシフトによる情報消費サイクルの加速化により、コレクション発表と商品提供のタイムラグの解消が求められるようになった
② ブランドやデザイナーはコレクションの回数を増やし、幅広い消費者にリーチするため様々な手段を講じているが、限界になりつつある

といったところになります。

ここからは、これらの課題に対してどのような動きが起こっているのかを見ていきたいと思います。

コレクション発表と商品提供のタイムラグをいかに解消するのか

まず、商品提供のタイムラグの解消については、段階的な試みがこれまでも見られていました。BURBERRYに代表されるようなデジタルシフトに積極的なブランドでは、ショーの直後からオンラインで最新のコレクションの商品を誰でもプレオーダーできる取り組みを進めています。これまで限られた優良顧客に対してのみ開かれていたトランクショーの積極的な開催も、対応策のひとつとして行われているようです。

Moda Operandi」というプレオーダーに特化したファッションオンラインコマースのサービスが順調にビジネスを拡大しているのも、こうした需要をタイミングよく捉えた結果といえるでしょう。

一方で、新たにビジネスをスタートするデザイナーでは、最初から既存のコレクションのサイクルから離れ、生産スケジュールも合わせ込みながら、いわゆる「Buy now, wear now(今買って、今着れる)」方式を採用するケースも増えています。

「JIMMY CHOO」の共同創業者タマラ・メロン(Tamara Mellon)によるラインや、「Emmanuel Ungaro」のデザイナーなどを経験した、エステバン・コルタサル(Esteban Cortazar)がNet-a-Porterの支援を受けて立ち上げたラインなどが、よく知られた事例です。

エステバン・コルタサルの場合、発表のタイミングは既存のサイクルに合わせつつ、スケッチやサンプルの段階からバイヤーに見せながらコレクションを仕上げていくことで、生産に関するリスクを下げる工夫をしてビジネスを回しているようです。

「Matthew Williamson」や「Thakoon」のように、各都市のファッションウィークに参加し、新作のコレクションを発表する従来のサイクルから、同様の方式へとビジネスを転換するブランドも出てきています。2016年春夏のコレクションをInstagramで公開して話題となった「Misha Nonoo」は、2016年秋冬の発表はスキップし販売のタイミングで公開をする方針に。いずれのブランドも、顧客に直接販売できるオンラインコマースを主軸の販路に据えています。

オンラインコマースの登場は、商品サイクルのスピードの加熱をもたらす一方で、個々のデザイナーにとっては過密したファッションウィークのスケジュールから抜け出し、ビジネスを柔軟に展開するために不可欠な要素ともなっているのです。

試験的に「Buy now wear now」な取り組みを導入するブランドも見られます。ニューヨークでコレクションを発表している「MICHAEL KORS」と「Proenza Schouler」は、現在各都市でのファッションウィークが進行中の2016-17年秋冬コレクションで発表された中から、一部の商品をショーの直後から販売しています。

— MICHAEL KORSより
MICHAEL KORSより

 

コレクション発表のスケジュール、その意味自体を見直す動きも

もうひとつの対応策は、発表スケジュールそのもののシフトです。

「BALENCIAGA」のクリエイティブ・ディレクターにも就任し注目を集めるデムナ・グバサリア(Demna Gvasalia)の「VETEMENTS」や「Cédric Charlier」は、これまで9月と2月にそれぞれ春夏と秋冬のコレクションを発表していましたが、それらを6月と1月のプレコレクションの時期に変更。Cédric Charlierはこれまでのプレコクションをメインのコレクションに統一してコレクション数を2回に絞りながら、商品のでデリバリーの回数を増やすことで、商品サイクルを維持する予定のようです。

過密スケジュールのファッションウィーク期間を避け、まだバイヤーの予算もあるプレコレクションの時期に発表を前倒しするのはクレバーな選択肢のひとつだといえます。

また、ランウェイショーを消費者向けのイベントと位置づけ販売時期の直前に実施しつつ、バイヤーやメディアに対しては従来と同じサイクルでコレクションを限定的に見せるという対応を取るブランドも増えています。

従来のファッションウィーク期間中とのショーとは別に、2015年秋冬のコレクションのショーを一般の顧客を招いてインシーズンに試験的に開催した「REBECCA MINKOFF」はその代表的な例です。現在進行中の2016年秋冬のファッションウィークでは、ショーとしてはこれから販売が本格化する2016年春夏のコレクションを一般の顧客にも門戸を開いて開催。バイヤーやメディア向けには2017年秋冬のコレクションを見せ、ルックブックは一般にも公開されています。

一方でバイヤーやメディアにはショーやプレゼンテーションで半年先に販売されるコレクションを見せつつも、その一般公開を販売時期まで禁止するブランドも出てきています。最近では「CELINE」がプレコレクションで例外的にこうした対応をとっていましたが、Proenza Schoulerが2016年のプレフォールで同様の方針を採用。続いて「MSGM」が、2016年秋冬のコレクションでランウェイショーの模様のInstagramなどのソーシャルネットワークへの投稿の禁止をバイヤーとメディアに要請。ブランドとしても販売時期まではイメージを公開しないというアナウンスをしています。デザイナーのマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)は、

I think it’s the right moment to take a step back from overexposure. It’s the moment to support more retailers, online stores and print publications. If everything is out there immediately, people lose interest and everything looks so old in a second.

とコメント。意図は理解できるものの、コピー商品の氾濫を懸念してイメージの公開を厳しくコントロールしていたファッションビジネスの黎明期に戻ったようなこの動きは、一時的な回避策にしかならないのではという印象も受けます。

そういった意味では、REBECCA MINKOFFのランウェイショーの見せ方も、実際の商品の販売サイクルが変わるわけではないため、消費者のもつギャップを埋める根本的な解決策とは言いにくのではとも感じます。

先行して動き出したBURBERRYとTOMMY HILFIGER

そんな中、いち早く抜本的なモデル転換を示したのが、前編冒頭に挙げたBURBERRYとTOMMY HILFIGERになります。

TOMMY HILFIGERは、今年9月の2017年春夏のファッションウィークでは、即時販売するジジ・ハディッドとのコラボレーションを発表し、同じ時期に(移行期間として)2017年春夏のコレクションをバイヤーとプレスにのみ限定して公開するとしています。そして、従来は2018年秋冬のコレクションの発表の場となる2017年2月のファッションウィークでは、同時期に販売が本格化する2017年春夏のコレクションを一般消費者へのお披露目としてショーを行うという流れです。

BURBERRYはより進んだ取り組みを今年9月の段階から実行しようとしています。これまで別々に行われていたウィメンズとメンズを統合し同時に発表。またコレクションの呼び方も、春夏や秋冬といった季節で区分せず、発表月の「February」と「September」というシーズンレスな名称に。グローバルに商品を展開するうえでは、従来のような北半球をベースとした呼び方はそぐわないですし、コレクションの内容自体も、近年では春夏でもファーが展開されたりと、季節で分ける意味が薄れているというのが理由です。

コレクションの販売も、オンラインのみならず実店舗でも同時展開することが計画されており、ショーの直後には店舗ががらりと変わっているという状況をつくろうとしているようです。

いち早くランウエイで発表された商品のプレオーダーを受け付け始めたBURBERRY。現在は2016 FEB ランウエイコレクション(2016-17年秋冬コレクション)の商品のプレオーダーを受付中。 — BURBERRYより
いち早くランウエイで発表された商品のプレオーダーを受け付け始めたBURBERRY。現在は2016 FEB ランウエイコレクションの商品のプレオーダーを受付中。 — BURBERRYより

こうしたモデルは、販売経路の多くを直営の実店舗やオンラインコマースが占めるブランドであれば、百貨店やセレクトショップなど既存のサイクルから簡単に切り替えることができない卸売先に配慮する必要が少ない分、比較的導入が容易です。資金力のあるブランドは、生産面での融通も効かせやすいでしょう。

中小規模のブランドはどう打って出るべきなのか

しかし、そうでは中小規模のブランドやインディペンデントなデザイナーズブランドが、こうした消費者の需要に対応したモデルにシフトするためには、オンラインコマースを軸に直接販売の構成比を増やしつつ、エステバン・コルタサルが実践しているような生産サイクルの先取りと短縮化の工夫を、いままで以上に進めていかなければならないでしょう。「Victoria Beckham」のように、過去の人気商品を改めてパーマネントなラインとして定番商品化するというのも、最新のコレクションの浮き沈みを補う堅実で有効な手段になりそうです。これは「Saint Laurent」でエディ・スリマンが進めて成功しているモデルでもあります。

生産背景や資金力のないデザイナーの場合、現在のサイクルを切り替えるのは難しいと思いますが、手にするまで数ヶ月待ったとしても商品が欲しいというファン層をしっかり作っていくことが、やはり重要になりそうです。

今、さまざま様々な分野で活用されている「Kickstarter」のようなクラウドファンディングのモデルを最も巧く使って新たな才能を継続して世に送り出してきたのが、ファッションビジネスだという見方もできるのではないでしょうか。

デジタルシフトは競争の激化と同時に、世界中の同じような嗜好をもつ人々へとつながる新しい可能性をより広く提供するものでもあります。これは、同時並行で進んでいる3Dプリンターをはじめとするデジタルファブリケーション技術の一般化やカスタマイゼーション対応の進化と合わせて、同人的でニッチなファッションを深化させることになるかもしれません。

ビジネス的には、グローバルなリーチを誇るマスなブランドと比較にはならないものの、ファッション消費の在り方が今後極端に分化していく未来は、十分に想定される可能性なのではないかと思います。

ファッションサイクルの変容と共に変化を迫られる小売企業

ブランドやデザイナー以上に変化を迫られているのは、百貨店やセレクトショップなどの小売企業でしょう。

Creative Lab / shutterstock.com
Creative Lab / shutterstock.com

人気と影響力もあり資金力のあるブランドから、これまで見てきたような方向転換は進んでいくものと想定されます。オンラインコマースの比率が高まり、一層ブランド自身の消費者へ直接販売する力が高まっていくときに、小売側がモデル転換のリスクをある程度引き受けて対応していかない限り、取り扱えるブランドやデザイナーが次第に減少し、売り場の魅力が削がれていくという事態も起こりかねません。

既存のメディアも、前回のコラムで触れた変化への対応に加え、ブランドやデザイナーが消費者と直接つながっていく時代に、単なるブランドの広告代理店のような役割へと収まっていってしまうのか、それともこれまでの承認機能を梃子に新たな役割を担っていくのか、引き続き注目されるところです。

大きな変化のきっかけが見え始めた2016年ですが、BURBERRYにせよTOMMY HILFIGERにせよ、あらたなモデルが機能するかどうかはまだ未知数ですし、成功に至るとしても数多くの紆余曲折があるものと思います。

フランスやイタリアのラグジュアリーブランドは、こうしたいわば「See now, buy now」なサイクルには反対する姿勢を示しています。GucciやSaint Laurentを保有するKeringのCEOのフランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)は、

In luxury, I think that is a mistake. The notion of ‘see-now, wear-now, or sell-now,’ for example, is a negation of dreaming, of desire.

The catwalk show is an integral part of the creative process. You don’t cut the creative process in two in a luxury brand.
ー UK版VOGUE『PFW SAYS NO TO NEW SHOWS MODEL』より

として、ランウェイショー自体もクリエイションにおける重要なプロセスであるし、、ショーから間を置かずにすぐに販売することは、クリエイションの産物であるコレクションへの夢や欲求を醸成する時間を奪うことを意味するので、BURBERRYなどが見せた動きはラグジュアリーブランドにはそぐわないという見方をしています。

パリのファッションウィークを主催し、フランスの主だったラグジュアリーブランドが参加する「フランスオートクチュール・プレタポルテ連合協会」は、現在のサイクルを維持することを改めて協議し決定。トップのラルフ・トレダノ(Ralf Toredano)は、フランスのラグジュアリーブランドのビジネスは成長しており現在のサイクルに問題は感じておらず、顧客もこのサイクルをきちんと理解しているという趣旨の発言をしています。さらにブランドには “creative designer brands”、“marketing-driven brands” 、“lifestyle brands”があり、コレクションを組み立てるプロセスはそれぞれ異なるとも。また、

Desire and dreams are part of the buying process. Our customer does not need another coat.
Listening too much to the marketing kills creativity.
ー UK版VOGUE『PFW SAYS NO TO NEW SHOWS MODEL』より

と、フランソワ・アンリ・ピノーと同様の趣旨をコメントしています。

こうした姿勢がラグジュアリーブランドの顧客の現在のメンタリティと一致するものなのかは、議論の余地はあるとは思いますが、BURBERRYのようにデジタルメディアを通じて新しい顧客を獲得していったブランドやTOMMY HILFIGERのようなコンテンポラリーなブランドとは在り方が異なるというのは理解できる部分です。

さまざまな意見や立場がありながらも、現在のファッションシステムについて、課題を感じている業界関係者が多くいるのは紛れも無い事実。

まずは変化を先導しようというブランドの9月から始まる挑戦の行方を追いかけていきたいと思います。

【コラム】デジタルシフトで変革期を迎えるファッションシステム

Text : koso

DiFa編集部



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