Business | 2016.03.10
未来のリテールについて語る、サンフランシスコ 「TECH Fashion Week」 イベントレポート

未来のリテールについて語る、サンフランシスコ 「TECH Fashion Week」 イベントレポート

先日サンフランシスコで行われた 「TECH Fashion Week」 というイベントの、デジタルストアフロントとショールーミングに関するパネルディスカッションに参加してきました!TECH Fashion Weekは、SFFAMAというNPOが主催する、ファッションとテクノロジーをつなげる一連のイベントです。一週間かけてサンフランシスコのあらゆるところでパネルディスカッションやハッカソンなどが行われました。

パネルには、決済サービスのPayPal、オンラインコマースの商品と値段情報の最大のデータベースを提供しているSemantics3、Gap傘下のブランドBanana Republicの方などが登壇しており、オフラインとオンラインのリテールの役割や、未来の予想など、さまざまな取り組みについてお話を聴くことができました。

これからリテールはどう変わる?

現代のリテール業界が、数年前と比べて圧倒的に変わったことと言えば、カスタマーは店頭だけではなく、SNSやウェブといったさまざまなチャネルを通してブランドにアクセスできるようになり、一方ブランドはそのさまざまなチャネルを通して、カスタマーとの関係性を築けるようになったということです。

その反面、カスタマーがブランドに期待することの期待値は上がっているとも言えます。ブランド側はその期待値に上手く合わせていかなければいけなくなっています。

「360度戦略」というキーワードがありますが、ブランドが持つウェブサイトやSNSなどのデジタルチャネルから店頭のウィンドウデザインや店舗で働くスタッフの教育などにいたるまで、多様なタッチポイントを通し、ブランドは一つのメッセージを伝える必要が出てきました。例えば、「Banana Republic」 では、以前は別の組織に属していた、Webチームとマーケティングチームを同じ部署に置くことによって、よりスムーズにデジタルからフィジカルなコミュニケーションの「翻訳」が行えるようになったそうです。

また、大きな動きとして、今までオンラインのみでビジネスを展開していたブランドはオフラインへ進出し、オフラインのみだったブランドはオンラインへ進出しています。どちらがより良いということではなく、両方で補完し合うことによってブランドを強くすることができる企業がこれから成功していくのではないでしょうか。

10年後のショッピング体験とは?

パネラーのひとりが、奥さんとキャンプに行こうとした時のエピソードをこんな風に話していました。夫婦で「テントを買わないといけないね」ということを話し合っていた直後から、Facebook にテントに関する広告が出始めたという体験をしたそうです。

実はFacebook などのアプリでマイク機能へのアクセスをオンにしていると、会話を解析してそれに合わせて広告を出しているらしい……なんてお話も(※こちらはFacebookは公式には認めていません)。。

このように、ブランドやサービス提供側は、色々な方法でカスタマーが今欲しいもの、テイストに合うものを分析し、レコメンドする流れがあり、消費者側は今までになかった方法で、自分に合った商品に出会えるようになるでしょう。
オフライン・ショッピングとオンライン・ショッピングの棲み分けとは?
当たり前ですが、オフライン・ショッピングの強みは、実際に手にとって商品を見ることができたり、買ったらすぐに手に入るということが挙げられます。米国では、オンラインからオーダーし、数時間で生活雑貨や生鮮食品などを店舗ピックアップできたり、届けてくれるサービスが各所で始まっています。

この分野のスタートアップも数多くあり、例えば 「Instacart」 はアプリやウェブで注文した商品をその日のうちに家まで届けてくれるし、「Curbside」 はオーダーしたものを店舗の駐車場で受け渡ししてくれます。ウォールマートやターゲットのような米国最大の小売企業も、このようなスタートアップと提携するか、同様のサービスを独自に展開しています。

多くの消費がオンラインで起こるようになったことで、店舗の役割が変わってきたという意見もありました。Banana Republic の店舗では、ディスプレイする服を減らし、スペースを「ブランディング」のために使うことができるようになりました。ソファを置いてくつろぎながらカタログを見てもらったり、ゆっくりとブランドの世界観を楽しんでもらえるようになったそうです。

更に、店舗のVMDはどんどんローカルなクリエイティブがウケるようになっているんだとか。オフラインのタッチポイントである店舗は、ディスプレイをたくさん付けるなど、デジタルに寄りすぎてしまうと、「マス」な感じがしすぎてしまうので、あえて地域に即したクリエイティブを目指しているそうです。

まとめ

インターネットやモバイルによって目まぐるしく変わっていくリテール業界の内情や、私が普段働いているソフトウェアのみの会社とは違ったチャレンジがあることを聞け、勉強になりました。

同じウェブやアプリの開発でも、米国ではサンクスギビングデー(11月の第4木曜日)から年末にかけて、ブラックフライデーやクリスマスショッピング需要のため、年間のほとんどの収益が10月、11月、12月の最後3ヶ月にかかっているので、9月30日以降はコードを絶対にいじれないなど、リテール業界の常識があるそうです。

これからもサンフランシスコで行われる、テック&ファッションなイベントをレポートしていきたいと思います!

大石 結花



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